マスク着用で聞き取りが悪くなったときの対応方法について。

マスク着用で聞き取りが悪くなったときの対応方法について。

難聴のある方が“マスク着用やビニールシート設置で聞き取りが悪くなったときの対応方法”について、はかたみち耳鼻咽喉科の宮地院長にお話をお聞きしました

感染対策でマスクを着用される方が増え、ビニールシート設置店も増えている状況ですが、マスク越しや、ビニールシート越しに喋られる方の言葉を聞き取ることは難聴のある方にとって大変難しいことです。当院外来に来られる方々からも、「人ごみの中では会話が聞き取りにくくなった」「4,5人の集まりで話が聞き取りにくくなった」「小声で話された時、聞き取りにくくなった」などの聞こえの困り感の話をよく聞きます。実際、マスク下のコミュニケーションでは、聴力が不良になるにつれて、言葉の聞き間違いを増やすことが報告されております。

(参考:齋藤修ら、Audiology Japan Vol.61,No.5 2018)

また、マスクやシールド設置により肉声(60dB)がどちらも13dB程度減衰することや、口元が見えないことで会話内容の予測がつきにくくなっていることが報告されております。

(参考:倉島楓ら、Audiology Japan Vol.63,No.5 2020)

簡単にできる対策として、

自分から相手に「難聴があるため、マスクをしていると聞こえにくい」と伝えること

正面から、なるべく近くから話しかけてもらう配慮

言葉をゆっくり、はっきり喋ってもらう配慮

周囲の雑音を減らしてもらう配慮

があります。

さらに、聞き間違いを減らす有効な方法の一つとして、聴力や使用環境に合うよう、できるだけ調整した補聴器を装用することがあります。そのために大事なことは、医学的に補聴器装用に効果があるかどうか判断(補聴器適合検査)できる耳鼻咽喉科で相談することです。

「聞こえないこと」をあきらめず、人との交流や生活を楽しんでください。

★お話をお聞きした先生▼

はかたみち耳鼻咽喉科 宮地院長

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