Q:そもそも口臭って何ですか?
A:口臭とは、口から出る息のにおいで、ほかの人にとって不快に感じられるもののことです。主に、舌や歯にくっついている舌苔やプラークの中にいる細菌が、お口の中の食べかすや、古くなってはがれた粘膜のタンパク質を分解して出すガスのことです。
朝起きたときや空腹時、疲労時、緊張して口が渇いたときに感じる口臭、女性における生理時の口臭、加齢による老人口臭を「生理的口臭」といいます。一方、全身の健康状態や生活習慣とも関連しているものもあり、歯周病などのお口の病気や、糖尿病などの全身の病気などによって起こる口臭は「病的口臭」と呼ばれています。
口臭は誰にでもあるもので、一日の中でも強くなったり弱くなったりと、一定のサイクルがあります。中でも、起床時の口臭は、「モーニングブレス」と呼ばれ、寝ているときに唾液量が減り、お口の中の細菌が増えるため、口臭が強くなります。これは多かれ少なかれ誰にでもみられるものです。
Q:ではどうしたら『口臭』が予防できますか?
A:口臭、特に生理的口臭は、生活習慣と関連があります。一般的に口臭は、食事やブラッシングの後、時間の経過にしたがって強くなり、食後に減少します。ただし、朝食を食べないことはもちろん、食べかすが残ったままブラッシングしなかったり咀嚼回数の少ない食品のみを食べていると唾液の自浄作用が働きにくくなるため、口臭が減少しにくくなります。
口臭を減少させるためには、朝食をきちんと摂ること、食事の内容を咀嚼回数の多い食品や食形態にすること、口腔清掃を行うことが大切です。特に歯と歯の間の清掃が口臭予防に効果があります。
口臭の治療は、まず検査を受けて原因を明らかにしましょう。歯周病が原因の場合は、その治療によって改善します。また、病的口臭でも生理的口臭でもお口の中をきれいにして、口臭を発生する細菌を減らすことが治療になります。正しいブラッシングに加え、歯間ブラシやデンタルフロスを使用した歯と歯の間の清掃、舌磨きを行うことが、口臭の軽減には効果的です。入れ歯の方は、入れ歯のお手入れも行いましょう。
Q:それでも改善しない場合はどうすれば良いですか?
A:そうした道具を使った清掃だけでは口臭が軽減しにくい場合は、薬用成分が含まれている洗口剤を使うことで、効果が出ることがあります。洗口剤には、強い良い香りで口臭を抑制する「マスキング効果」や「消臭効果」「抗菌効果」があります。しかし、舌苔が付着している口に洗口剤を使っても抗菌剤が細菌に直接作用することができません。そこで、舌磨きと洗口剤を使った両方を行うことで、口臭予防・抑制の相乗効果が期待できます。ただし、アレルギーや副作用が生じることがあるので、自分に合ったものを選びましょう!
★今回お話しを伺った先生 日野歯科医院 錦織先生 詳しくは▼