Q:口腔機能発達不全症とはどんな病気ですか?
A:食べることや話すこと、呼吸することは生きていくうえで不可欠であり、これらのほとんどはお口が担う機能(口腔機能)です。歯や舌、唇、頬、喉がうまく働くことでこれらの機能が成立します。口腔機能発達不全症とは、18歳未満の小児と乳児において、食べること、話すこと、その他の口腔機能について正常に機能を獲得してない場合に診断される疾患名です。
Q:具体的にはどんな病状が発症しますか?
A:咀嚼や嚥下がうまくできなかったり、構音の異常、お口ぽかんなどが認められます。本人には自覚症状があまりない場合が多く、たとえば、食べる機能、話す機能などの口腔機能を阻害してしまうほどです。歯並びが悪い場合は、歯の位置(形態)を治す必要があります。一方歯並び等お口の形態には問題がない場合でも、食べ物をうまく飲み込めなかったり、正しい発音ができなかったりする子もいます。原因が、機能を習得できていないから?なのか、機能の習得を邪魔する癖(習癖)があるせいなのか?こちらを早めに確認し判断することが大切です。
Q:邪魔する癖とは?
A:頬杖をつく、うつぶせ寝や横向き寝。特に小さいうちに気をつけておきたい癖が、指しゃぶりと“お口ポカン”です。呼吸は本来鼻で行いますが、お口がポカンと開いていると口で呼吸をしていることが多いのです。鼻がつまって口で呼吸をしているのかもしれないので原因が何かを探しましょう。
Q:癖が続くとどうなるのか
A:お口の周りの筋圧のバランスが崩れます・・。また、バランスが崩れると歯並びに悪影響を及ぼします。指しゃぶりは上の前歯が前方に押されて結果出っ歯になることがあります。上と下の歯の間に舌を出す癖により、上下の前歯が当たらない状態(開咬)になります。このような歯並びになると、お口を閉じることも難しくまりますし、前歯に隙間が空いてると口呼吸にもつながります。そうすれば、ますます“お口ポカン”がみられ、飲み込むときには、舌が前に出てきてしまう癖も生じることで、出っ歯がさらに悪化する可能性もあります。
癖があるとクチャクチャと音をたてて噛んだり、丸飲みしたりと食べ方に影響するかもしれません。また、会話するときにも、上の歯と下の歯の間の空いたスペースから空気が逃げないように舌が前に出ることによって、サ行、タ行、ナ行、ラ行等の舌っ足らずな発音になる可能性があります。このように、指しゃぶり、お口ポカンといった癖をきっかけにさまざまな悪影響が起こる可能性が考えられます。
Q:どのように対策すれば良いですか?
A:・食環境を整えましょう!地面に足をつけて噛むとき、飲み込む時に力が入るようにしてお口の周りの筋肉を刺激しましょう。テレビがついてるとそれを見ようと、常に首がテレビの方向に向き片側でしか噛まず嚙み合わせが変わってくる可能性もあります。また、食環境を整える以外に機能訓練も必要になってきます。歯科医院で機能に特化した練習が必要です。
お口周りの気になる癖がある場合は早めに歯科医院での検査をオススメします。
★今回お話しを伺った先生 日野歯科医院 錦織先生
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