【教えてドクター】加熱式たばこは紙巻きたばこよりからだに悪くない? 

【教えてドクター】加熱式たばこは紙巻きたばこよりからだに悪くない? 

近年、加熱式タバコの普及により日本でも利用者は増えてきています。 各メーカーの宣伝により紙巻きたばこに比べて身体に悪くないという印象が広まっていますが、今回はその実態を日野歯科医院の錦織先生に説明してもらいました。

加熱式タバコの紙巻きタバコとの大きな違いは、煙ではなく「水蒸気(エアロゾル)」を吸うことです。 紙巻きタバコ同様にタバコ葉が用いられますが、直接タバコ葉に火をつけるのではなく、熱を加えてニコチンを発生させて吸引します。

禁煙のステップとして紙巻きタバコから加熱式タバコへ切り替える方も多いでしょう。ですが、どの加熱式タバコにもニコチン依存症の本態であるニコチンが入っています・・「禁煙をしよう!」と一歩踏み出せたことは大きな前進ですが、残念ながら 「加熱式タバコ=禁煙」ではありません。むしろ、タバコによる健康被害をなくす機会を逃してしまう可能性もあります。

また、加熱式タバコのエアロゾルと紙巻きタバコに含まれる主な成分を比較した報告によると、それぞれ紙巻きタバコに比べ含有量は低減されたこと、さらに、主流煙に含まれるタールなどの成分も減っていることがわかっています。 しかし、元来紙巻きタバコの有害性はかなり高く、環境汚染物質の基準と比べても数10倍~数 100倍以上です。加熱式タバコの有害物質が減っていたとしても、環境基準を安全にクリアできるレベルにはなっていないのです。

加熱式タバコが広く普及するようになってからまだ日が浅いこともあり、加熱式タバコに起因する健康被害に関する長期のデータや口腔疾患、口腔がんや歯周病に関するデータは揃っていません。 しかし、虚血性疾患のリスクは、紙巻きタバコの数本数がすくなくても、受動喫煙であっても急激に上がり、喫煙に容量的なリスク低減効果のないことが分かっています。

すなわち、たとえ有害 物質が少なくなっていても、健康へのリスクが下がるわけではないのです。

タバコを吸っている方は非常に歯周病が悪くなってしまいます。 ある統計データでは、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っ ていると4.3倍に上昇します。 タバコにより歯肉が黒ずんでしまうこともあります・・。

大変ですが、禁煙することで健康な歯を長持ちさせることができます!この機会に『禁煙』をぜひ実践されてみてください!

★今回お話しを伺った先生 日野歯科医院 錦織先生

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